起こしてしまいやすいミス

 新人看護師は、勤務が決まった診療科で必要とされる医療用語を覚えるために積極的に使おうとする傾向があります。使うことで覚えられるのは事実であり、日常的な医療従事者の間のコミュニケーションで使われる慣例的な略語も普段から使用するように努めます。

 しかし、それが原因で患者とのコミュニケーションでミスをしてしまう看護師もいます。看護師は患者とのコミュニケーションのときには専門的な用語を減らして、一般の人が理解している語彙でコミュニケーションを取ることが大切です。うっかり医療用語で話をしてしまって、患者に理解してもらえていなかったということはよくあるようですが、この場合はまだカバーできることが多く、あらためて説明しなおせば問題は生じないでしょう。

 ところが、誤解を生んでしまうミスをすると致命的なリスクを負うこともあります。特に慣例的な略語の中には、日常的に一般の人が使っている言葉と紛らわしいものもあり、患者がその略語を知らないと聞き違えられてしまうことがしばしばあるのです。その結果としてただ意図が伝わっていなかっただけではなく、誤解を生んでしまい患者との良好な関係にキズが入ってしまうこともあります。

 覚えることに必死になっている新人看護師だからこそ起こしやすいミスですが、誰もが起こすリスクは抱えているので、新人看護師に限らず肝に銘じておかなければならないでしょう。